布団でダニに刺されたらどうする?見分け方やダニの対策について解説
夏の終わりから秋にかけて、「布団で何かに刺された」という経験はありませんか?気づかないうちに布団にダニが発生し、就寝中に刺されてしまうことがあります。ダニに刺された跡は見た目が他の虫刺されと似ていることも多く、原因がわからないまま対処が遅れてしまうケースも少なくありません。
本記事では、ダニに刺されたときの症状や見分け方、効果的な応急処置、そして何より大切なダニ対策について詳しく解説します。快適な睡眠環境を取り戻すために、ぜひ参考にしてください。
布団でダニに刺されるのはなぜ?

布団に生息するダニには、主にコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニなどのチリダニと、人を刺すイエダニがいます。また、チリダニなどを餌として生息するツメダニも発生することがあります。
具体的には、以下のような要因が重なることで、布団でダニに刺される可能性が高まります。
チリダニ
実は、チリダニは人を刺すことはないとされています。ただしチリダニはアレルゲンを持っており、その細かく砕かれたフンや死骸を吸い込むことでアレルギー症状を引き起こすことがあります。
布団でチリダニが発生する主な要因は、人の皮脂や汗、フケなどがダニの栄養源となるためです。私たちが寝ている間に放出する湿気と体温が、ダニにとって理想的な繁殖環境を作り出します。さらに現代の気密性の高い住宅環境は温度や湿度が一定に保たれるため、ダニが一年中活動できる条件を整えています。
また布団は繊維が多く、暗く、湿度がこもりやすいというダニが好む条件が揃っています。これらの要因により、布団には何十万〜何百万ものダニが潜んでいるとも言われています。

イエダニ
イエダニはネズミや鳥の巣に生息しており、これらの動物が家屋内に侵入する際に一緒に持ち込まれることが多いです。宿主となる動物がいなくなると、生存のために人間を吸血対象に切り替えます。
このダニは建物の隙間や壁の内部から寝具へと移動してくることがあり、特にネズミが巣を作りやすい古い家屋や天井裏、壁の中で発生しやすい傾向です。また、家屋周辺でゴミが放置されるなど環境管理が行き届いていない場合、ネズミの増加に伴いイエダニの発生リスクも高まります。
ツメダニ
布団でツメダニに刺される原因は、主に他のダニの駆除が不十分な環境に関係しています。ツメダニはコナダニやチリダニなど他のダニを餌として生息するため、これらのダニが繁殖している布団内に自然と集まってくるのです。特に梅雨の時期や冷暖房による一定温度の室内環境は、ダニ全般の繁殖に適しています。
また、ペットを飼育している家庭では、ペットに付着したノミなどが室内に持ち込まれ、それらを捕食するためにツメダニが発生することがあります。植木鉢や観葉植物を通じて外部から侵入するケースもあり、他のダニ種と比較して比較的乾燥した環境でも生存できる点が特徴です。
ダニに刺されたときの見分け方

ダニに刺されたときの症状は、他の虫刺されと似ているため、見分けるのが難しい場合があります。しかし、いくつかの特徴を知っておくことで、ダニ刺されの可能性を判断することができます。
しこりができている
ダニ刺されでは皮膚に盛り上がるような硬い「しこり」が形成されます。これは蚊に刺されたときよりも硬く、境界がはっきりとした状態になることが特徴です。とある研究によれば、ダニ刺されによる発疹のほとんどが境界明瞭で盛り上がる「兵疹」のような形状を示します。
一つひとつの皮疹がはっきりとしており、複数の発疹が融合したり、膿んだりするケースは比較的稀です。蚊に刺されたときの発疹と比較すると、一般的にダニ刺されの皮疹は小さい傾向があります。
強いかゆみが出ている
ダニ刺されの特徴として、非常に強いかゆみを伴うことが挙げられます。このかゆみは我慢できないほど強く、掻きむしってしまいやすいのが特徴です。
そのため、掻き壊して二次感染を起こすリスクも高くなります。かゆみが強いため、医療機関では市販薬よりも強力なステロイド軟膏が処方されることが多く、場合によってはかゆみを抑える内服薬が併用されることもあります。かゆみの強さがダニ刺されを疑う重要な手がかりとなります。
柔らかい場所や露出している場所に痕がある
ダニ刺されは特定の場所に集中する傾向があります。アメリカでの調査によれば、ダニ刺されの発疹は首や腕に集中していることが多いとされています。その他には肩や上半身にも発疹が見られやすいと報告されています。特に、首、肩、太もも、お腹、上腕部の内側など、皮膚の柔らかい部位や衣服で覆われていない露出部分に発疹が現れることが多いです。
ただし、疥癬のような特殊なダニの場合は全身に症状が現れることがあるため、発疹の場所だけでは判断できない場合もあります。
ダニに刺された後の対処法

ダニに刺された後の対処法としては、まず患部を清潔な水と石鹸で優しく洗い、冷たいタオルなどで冷やすことで炎症を抑えます。特に室内ダニによる刺し傷は強い炎症とかゆみを伴うため、適切な強さのステロイド外用剤を使用して症状を早く鎮めることが重要です。
掻き壊して化膿した場合は、抗生物質配合のステロイド外用剤が効果的です。ただし、腫れがひどい、痛みが強い、広範囲に症状が出ている場合は自己判断せず医療機関を受診してください。
また、ダニを見つけたら掃除や洗濯を徹底し、再発防止のために寝具や室内の清潔を保ち、高温多湿の環境を避けることが大切です。
布団にダニを発生させないための対策方法

布団にダニを発生させないためには、以下の対策方法が有効です。これらの対策を組み合わせることで、布団にダニが発生するのを効果的に防ぐことができます。
定期的にクリーニングする
布団を定期的にクリーニングに出すことは、ダニ対策として最も効果的な方法のひとつです。プロのクリーニングでは、丸洗いによってダニのエサとなる人のフケやアカ、汗などの汚れを洗い流し、その後の高温乾燥処理でダニを死滅させることができます。家庭では難しい羊毛布団なども専用の機械で洗浄可能です。
また、多くのクリーニング店では防ダニ加工などのオプションサービスも提供しており、クリーニング後のダニ再発防止にも効果的です。特にアレルギー症状がある方は、シーズン前の定期的なクリーニングがおすすめです。
湿度管理を徹底する
ダニは温度25度前後、湿度70%前後の高温多湿環境で繁殖が活発になります。そのため、室内の湿度を60%以下に保つことがダニ対策の基本です。梅雨時期や夏場は特に注意が必要で、エアコンやサーキュレーターを使用して空気を循環させることが重要です。除湿機の使用も効果的です。
また、布団を敷きっぱなしにせず、毎日干して湿気を飛ばすことや、敷き布団の下に除湿シートを敷くことで、布団内部の湿度上昇を防ぎます。押し入れに保管する際も、スノコを敷いて床からの湿気を遮断し、除湿剤を配置することが大切です。
布団乾燥機を活用する
布団乾燥機は、家庭でできる効果的なダニ対策のひとつです。ダニは50℃以上の熱に20~30分間さらされると死滅するとされており、多くの布団乾燥機にはダニ対策モードが搭載されています。効果を最大化するには、90~120分程度の時間設定で、表裏を2~4回繰り返し乾燥させることをおすすめします。
掛け布団で敷き布団を包んでから乾燥させるとより効果的です。乾燥後は掃除機をかけて死滅したダニや死骸、フンを吸い取りましょう。定期的な使用で、常に布団を乾燥させた状態に保つことができ、ダニの繁殖を抑制できます。

天日干しする
天日干しは古くから行われている布団のお手入れ方法です。太陽光に含まれる紫外線には殺菌効果があり、布団内部の湿気を飛ばすことでダニの繁殖を抑制します。ただし、天日干しだけではダニを完全に退治することは難しいため、より効果を高めるには工夫が必要です。
例えば、黒い不織布などを布団に被せて干すと、日光を吸収して布団内部の温度を上げ、ダニ退治の効果を高められます。干した後は表面をなでるように軽くはたいて死骸やフンを落とし、必ず掃除機をかけましょう。天気の良い日に週1回程度の天日干しを習慣にすることで、布団を清潔に保てます。
防ダニ寝具を使用する
防ダニ加工された寝具や高密度織物のカバーを使用することは、ダニの侵入や増殖を防ぐ効果的な方法です。高密度の生地はダニが内部に侵入するのを物理的に防ぎ、防ダニ加工製品にはダニが寄りつきにくくなる忌避効果や増殖を抑制する効果があります。
特に、特殊高密度の側生地に縫い目の針穴をテープで塞ぎ、かぶせ付きファスナーを使用した製品などは、ダニの侵入を徹底的に防ぎます。敷布団カバー、掛け布団カバー、枕カバーなどを防ダニ仕様に替えるだけでも大きな効果があります。また、丸洗いできる防ダニ加工の敷布団や掛け布団を選ぶと、より清潔に使用できます。
布団を洗うなら日本橋西川のR&Rがおすすめ

今回は布団に潜むダニによる刺され被害と対策について解説してきました。布団では主にイエダニとツメダニに刺される可能性があり、特徴的な症状として硬いしこり、強いかゆみ、柔らかい皮膚部位への集中が見られます。対策としては、定期的なクリーニング、室内湿度の管理、布団乾燥機の活用、天日干し、防ダニ寝具の使用が効果的です。
日本橋西川の「R&R」サービスは、布団のダニ対策に最適です。羽毛布団を一度解体し、羽毛の汚れを徹底的に洗浄・乾燥させることで、ダニの発生を抑えると共に清潔な状態を保ちます。
さらに、新しい側生地で仕立て直すため、ダニやホコリが再び入り込む心配がありません。お手軽コースからこだわりの高級コースまで、多彩なオプションがあり、長年使い続けるための理想的な選択肢です。布団の衛生面を重視する方におすすめです。
