枕の標準サイズとは?一般的な規格サイズやおすすめの大きさ、測り方について解説
快適な睡眠には欠かせない枕選び。実は、枕のサイズひとつで睡眠の質が大きく変わることをご存知でしょうか?日本の寝具市場には、様々なサイズの枕が揃っており、それぞれに特徴があります。
今回は、自分に合った枕サイズの選び方と、各サイズの特徴について詳しくご紹介していきます。
枕の標準サイズは43×63cm

枕の標準サイズとして一般的なのは43×63cmです。このサイズは、日本人の体格に合わせて作られており、多くの寝具メーカーがこのサイズを基準として枕を製造しています。
しかし、「標準」と言っても枕のサイズは他にもいくつか種類があり、また必ずしも43×63cmが全ての人に最適とは限りません。
シングルサイズ
枕のシングルサイズ(43×63cm)は、日本の寝具市場でもっとも一般的な標準サイズとして広く普及しています。このサイズは日本人の平均的な体格や布団のサイズに合わせて設計されており、老若男女問わず使用できる汎用性の高さが特徴です。
メーカー各社から豊富な種類が販売されており、低反発や高反発、パイプ、羽根など、様々な素材や機能性を持つ商品から選択が可能です。また、カバーの種類も最も充実しているため、好みのデザインや素材を選びやすく、取り替えや洗濯などのメンテナンス面でも扱いやすいサイズといえます。
枕選びに迷った際は、まずこのシングルサイズを基準に検討すると良いでしょう。

セミシングルサイズ
セミシングルサイズの枕は、35×50cmという標準的なシングルサイズより一回り小さい寸法で、主に女性や子ども、体格の小さい方に適している枕です。
このサイズは20~30年前まで日本でポピュラーな枕のサイズでしたが、日本人の体格が大きくなるにつれて、現在では需要が減少傾向にあります。ただし、コンパクトなサイズ感を好む方や、枕に包まれるような感覚を好まない方からは依然として支持されています。
注意点として、体格の大きい方がこのサイズを使用すると窮屈さを感じる可能性があり、また寝返りの多い方は頭が枕からはみ出してしまう恐れがあります。そのため、購入前に実際に試してみることをおすすめします。
なお子どもの場合は、体温が比較的高く、寝相も乱れやすい傾向があるため、むしろ横幅の大きな枕が推奨されます。
セミダブルサイズ
セミダブルサイズの枕は、縦50cm×横70cmの大きめサイズで、標準的なシングルサイズよりもゆとりのある設計となっています。このサイズの特徴は、寝返りを打っても頭が枕からずれ落ちにくい点にあり、特に寝相の悪い人や横向き寝が多い人に適しています。また、体格の大きい方にとっても快適な使用感が得られるサイズです。
枕に包み込まれるような心地よい感覚を味わえることから、ホテルでも採用されることが多く、近年では一般家庭でも人気が高まっています。ただし、このサイズは一般的な枕と比べてカバーの種類が限られてくるため、カバーにもこだわりたい方はサイズ展開があるかを考慮して探す必要があります。
おすすめの枕の大きさの選び方

おすすめの枕の大きさの選び方は、単に「標準サイズ」にこだわるのではなく、体格や寝姿勢、寝返りの大きさなどに合わせて選ぶことが重要です。ここでは、具体的な選び方についてポイントを踏まえて解説します。
体格で選ぶ
枕の大きさは使用する人の体格によって最適なサイズが異なり、適切なものを選ぶことが快適な睡眠のカギとなります。
先述したように、小柄な方には35×50cmのセミシングルサイズが向いており、特に頭の小さめな女性や子どもにおすすめです。標準的な体格の方であれば、日本人の平均的な体型に合わせて設計された43×63cmのシングルサイズを選べば特に問題はないでしょう。一方、体格の良い方や寝返りの多い方には、50×70cmのセミダブルサイズが適しています。
ただし、これらは一般的な目安であり、実際に枕を選ぶ際は体型だけでなく、寝姿勢や好みなども考慮に入れる必要があります。店頭で実際に試してみることで、より自分に合ったサイズを見つけられるでしょう。
寝姿勢で選ぶ
枕の大きさは寝姿勢によっても最適なものが異なり、特に仰向け寝と横向き寝で考慮すべきポイントが変わってきます。
仰向け寝の方は、首の骨が自然なS字カーブを描けるよう、標準サイズ(43×63cm)程度の枕で十分な場合が多いです。一方、横向き寝の方は肩幅に合わせて首から背中までがまっすぐになる高さが必要で、さらに寝返りの際に頭が枕から落ちないよう、70cm以上の幅がある大きめサイズが推奨されます。また、寝返りが多い方も同様に大きめサイズが適しています。
人は睡眠中に無意識のうちに20〜30回の寝返りを打つため、十分なスペースがある枕を選ぶことで安定した睡眠姿勢を保ちやすくなるのです。
寝返りの大きさで選ぶ
枕の大きさを選ぶ際は、寝返りの大きさも判断基準としましょう。人は睡眠中に無意識のうちに寝返りを打つとされており、これは体への圧力を分散し、血行を促進する自然な動きです。
標準サイズの枕(43×63cm)は成人の頭3つ分に相当し、一般的な寝返りであれば問題ありませんが、寝返りの大きい方や寝相の悪い方は、より幅の広いセミダブルサイズ(幅70cm以上)を選んだほうが安心でしょう。
また、寝返りの際に頭が枕からはみ出さないよう、奥行きも考慮しなければなりません。一方で、奥行きが大きすぎると寝返りの動きが制限される可能性もあるため、実際に試してみることをおすすめします。
枕とカバーのサイズが合っていないと睡眠の質に悪影響

枕とカバーのサイズが合っていないと、睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があります。枕本体とカバーのサイズの組み合わせは、快適な睡眠を得るために大切な要素なのです。
大きすぎると首や頭を支える位置が安定しない
枕カバーのサイズが枕本体より大きすぎると、寝返りの際に枕本体が中で動いてしまい、首や頭を支える位置が定まらなくなってしまいます。これにより、本来枕に求められる首のサポート機能が低下し、安定した寝姿勢を保てなくなる可能性があります。
また、就寝中に枕本体が意図しない位置にずれることで、首への負担が増えたり、睡眠の質が低下したりする原因となります。そのため、枕カバーは枕本体とほぼ同じサイズを選ぶことがおすすめです。
小さすぎるとシワやたるみによって高さが出てしまう
反対に枕カバーのサイズが枕本体より小さすぎると、カバーを無理に装着することで生地が引っ張られ、シワやたるみが発生してしまいます。
このシワやたるみは枕本体を圧迫し、本来の形状を歪めてしまうため、設計時に意図した高さよりも実際の高さが高くなってしまいます。これにより、首や肩への負担が増加し、快適な睡眠を妨げる原因となりかねません。そのため、枕カバーは必ず枕本体と同じサイズ、もしくは2-3cm程度の余裕を持ったサイズを選ぶことが重要です。
枕のサイズの測り方

枕のサイズを正確に測るためには、まず使用中の枕からカバーを外し、平らな場所に置いて測定します。枕が入っている状態で測ると、中材のボリュームによって実際のサイズよりも小さく見えてしまうためです。
カバーを外した枕をできるだけピンと伸ばし、側生地の端から端までを計測します。横幅と奥行きの両方を測り、例えば63×43cmのように記録します。専用カバーがない枕の場合も同様に、側生地をできるだけ平らに伸ばして端から端までを計測します。
この測定値をもとに、枕本体と同じサイズ、もしくは2-3cm程度余裕のある枕カバーを選ぶことで、適切なフィット感が得られます。
自分に合ったサイズの枕選びは専門店に相談しよう

枕のサイズ選びは、肩幅や体格、寝姿勢、寝返りの頻度など、個人によって最適な条件が異なるため、専門店でのカウンセリングがおすすめです。専門スタッフは、お客様の体型測定や睡眠時の姿勢確認を行い、S字カーブを維持できる適切な高さや、寝返りのしやすい横幅など、総合的な観点から最適なサイズを提案することができます。また、実際に試し寝をしながら、複数の商品を比較検討できることも、専門店で相談する大きなメリットといえます。
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