いびきと睡眠の質は関係する?改善方法や対策になる寝方について解説
夜中のいびきに悩む方も、パートナーのいびきに困っている方も多いのではないでしょうか。実は、いびきは単なる音の問題だけではなく、睡眠の質に大きく影響を及ぼす可能性があります。いびきは気道が狭くなることで発生する症状で、睡眠時無呼吸症候群などの深刻な睡眠障害につながることもあります。
この記事では、いびきと睡眠の質の関係性を紐解きながら、快適な睡眠のための具体的な改善方法や寝方のコツをご紹介していきます。
いびきの種類

いびきには大きく分けて2種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。主な種類としては、以下のものがあります。
散発性いびき
散発性いびきとは、普段はいびきをかかない人が、一時的な身体状態の変化によって発生させるいびきのことです。具体的には、過度な疲労を感じているとき、就寝前のアルコール摂取後、風邪でリンパ節が腫れているとき、またはアレルギー反応で鼻腔が詰まっているような特別な状況下で生じる一過性のいびきを指します。
通常の生活では見られず、これらの要因が解消されれば自然と改善される特徴があります。
習慣性いびき
習慣性いびきには2つのタイプがあります。1つ目は「単純いびき」で、これは睡眠の質にほとんど影響を与えない比較的無害ないびきです。朝までぐっすり眠れ、日中の疲労感も少ないのが特徴です。
2つ目は「睡眠時無呼吸症候群を伴ういびき」で、睡眠中に呼吸が一時的に停止する重症ないびきです。このタイプは睡眠の質を著しく低下させ、日中の過度な眠気や慢性的な疲労の原因となり、脳や身体への酸素供給不足により健康上のリスクも高まるため、医療機関での適切な診断と治療が必要です。
いびきと睡眠の質の関係

いびきは気道の狭窄により生じる症状で、特に深刻な場合は睡眠の質を著しく低下させます。通常、夜間の睡眠では深い眠り(ノンレム睡眠)に入ることで心身の疲労回復が行われますが、いびきをかく人は深い睡眠状態に入る時間が短くなり、睡眠が浅くなりがちです。
また、いびきにより気道が狭くなることで体内への十分な酸素供給が妨げられ、その結果、度々中途覚醒が起こることもあります。さらに、いびきの音で自身が目覚めてしまうケースもあり、これらの要因が重なって慢性的な睡眠不足状態に陥りやすくなります。
その結果として、日中の強い眠気や集中力の低下、疲労感の蓄積といった問題が引き起こされ、日常生活に支障をきたす可能性があります。
いびきをかきやすい人の特徴7選

いびきをかきやすい人には、いくつかの特徴があります。これらの特徴に当てはまるからといって、必ずいびきをかくとは限りません。しかし、以下のような特徴を持つ人は、いびきをかきやすい傾向にあると言えます。
いびきが気になる場合は、専門医 (耳鼻咽喉科、呼吸器内科など) に相談し、原因を特定することが大切です。
睡眠時に口呼吸している
口を開けた状態で寝ることで舌が脱力して喉の奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなります。また口呼吸により口腔内が乾燥し、いびきの音が大きくなりやすいです。鼻炎や副鼻腔炎などが原因で口呼吸になっているケースも多くあります。
仰向けで寝ている
仰向け寝では重力の影響で舌が喉の奥に自然と落ち込みやすく、気道が狭められやすい状態になります。これにより空気の流れが妨げられ、いびきが発生しやすくなります。
睡眠薬を服用している
睡眠薬には筋肉を弛緩させる作用があり、服用により喉周りの筋肉も緩んで気道が狭くなりやすくなります。これにより空気の通りが悪くなり、いびきの原因となるのです。

肥満体型である
首周りに脂肪が蓄積することで気道が圧迫され狭くなります。また、舌周りの脂肪も増えることで舌の面積が広がり、気道を塞ぎやすいです。
年齢を重ねている(中高年)
加齢により舌や喉の筋力が衰え、気道を広く保つ力が弱まります。そのため、若い時にはなかったいびきが中高年になって発生するケースが増えます。
女性ホルモンが低下している
女性ホルモンには気道を広げる作用があるため、閉経により女性ホルモンが減少すると、その作用も弱まっていびきが発生しやすくなります。これが更年期以降の女性でいびきが増える原因となっています。
飲酒・喫煙の習慣がある
アルコールには筋肉を弛緩させる作用があり、喉の筋肉も緩むため気道が狭くなります。また喫煙は鼻や喉の粘膜に炎症を起こし、腫れやむくみを引き起こすため気道を狭める原因となります。
うつぶせ寝はいびきをかかないって本当?対策になる寝方

結論から言うと、うつ伏せ寝が必ずしもいびきを解消するとは限りません。
いびきの原因は様々ですが、気道が狭くなることが主な原因の一つです。うつ伏せ寝は、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を確保しやすくするため、いびきを軽減する効果が期待できます。しかし、全ての人に有効とは限りません。
うつぶせ寝
うつ伏せ寝は、気道が広がりやすく舌が喉の奥に落ち込むのを防げるため、いびきの解消に効果が期待できます。また、睡眠時無呼吸症候群の症状緩和にも有効な可能性があります。
しかし、この寝方には注意点もあります。首や腰への負担が大きく、体重によっては内臓を圧迫しかねません。また、呼吸が苦しくなったり寝返りがしづらくなったりするため、長時間同じ姿勢を保つことは避けるべきです。そのため、完全なうつ伏せ寝ではなく、やや横向きに傾けた姿勢を取るなど、個人に合わせた調整が必要です。
横向き寝
横向き寝は、いびきの解消に効果的な寝方の一つとして推奨されています。この姿勢では重力の影響で舌が横方向に位置するため、喉の奥に落ち込むことが少なく、気道が確保されやすくなります。
また、呼吸がスムーズになることで、十分な酸素供給が可能となり、睡眠の質の向上も期待できます。特に肥満や扁桃腺が肥大している方に適した姿勢です。ただし、同じ側を下にして長時間寝ることで肩や腕に圧がかかる可能性があるため、適度な寝返りを打つことが重要です。
いびきを改善する方法

いびきを改善する方法は、原因によって異なります。ここでは、一般的な方法と、原因別の対策をご紹介します。
生活習慣を見直す
いびきを改善するためには、生活習慣の見直しが重要な対策となります。特に肥満体型の改善、飲酒・喫煙の制限、そして規則正しい睡眠習慣の確立が効果的です。
肥満の場合は首周りの脂肪が気道を圧迫するため、適正体重を目指した運動と食事管理が必要です。飲酒は喉の筋肉を弛緩させ、喫煙は気道に炎症を引き起こすため、就寝4時間前までに飲酒を控え、禁煙を心がけましょう。
また、口呼吸を鼻呼吸に改善することや、舌の筋力トレーニングを日常的に行うことで、いびきの改善が期待できます。
寝具を見直す
いびきの改善には適切な寝具の選択が重要な要素となります。枕の高さや硬さが合っていないと首の角度が不自然になり、気道を圧迫してしまう可能性があります。特に7cm以上の高い枕は気道を狭める原因となりやすいため注意が必要です。
またマットレスについては、柔らかすぎると体が沈み込んで気道が圧迫される可能性があるため、適度な硬さのものを選ぶことが推奨されます。自分の体型や寝姿勢に合った枕とマットレスを選ぶことで、自然な寝姿勢を保ち、気道を確保しやすくなります。
いびき防止グッズを使う
いびき防止グッズは主に口呼吸を防止し、鼻呼吸を促進することで効果を発揮します。具体的には、口呼吸を防ぐために唇に貼るテープや、鼻の通りを改善して鼻づまりを解消する鼻腔拡張テープなどがあります。
また、医療機関で処方される「ナステント」というシリコン製のチューブは、鼻から挿入して上気道の閉塞を防ぎ、睡眠時無呼吸症候群の改善やいびき防止に効果的です。ただし、ナステントは24種類の中から自分の鼻の構造に合ったものを選ぶ必要があるため、最初は医師の診察を受けることが推奨されています。
睡眠環境を整える
いびきの改善には、睡眠環境を適切に整えることも重要です。特に室内の湿度管理が大切で、乾燥は鼻づまりや喉の炎症を引き起こし、気道を狭める原因となるため、加湿器などで適度な湿度(40-60%)を保つことが効果的です。
また、アレルギー反応による鼻づまりを防ぐため、定期的な掃除で寝室のダニや花粉などのアレルゲンを減らすことも有効です。さらに、快適な室温(13-29度)をキープすることで、より良い睡眠環境を作ることができます。
改善されない場合はクリニックの受診も検討しよう
いびきの症状が自己対策で改善されない場合、特に毎晩大きないびきをかく、日中の強い眠気がある、呼吸が止まる、起床時に頭痛があるなどの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群などの可能性もあるため、専門医の診察を受けることをおすすめします。
いびき対策には寝具選びが重要!

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