寝るときに電気をつけたままだと睡眠の質に影響する?部屋の明るさとの関係を解説
現代社会では、スマートフォンの画面やテレビ、照明など、私たちの生活は光に囲まれています。就寝前でもついつい電気をつけたまま眠ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、部屋の明るさは私たちの睡眠の質に大きな影響を与えることが、複数の研究で明らかになっています。
本記事では、部屋の照明が睡眠にもたらす影響と、より良い睡眠を得るための適切な環境づくりについて解説していきます。
電気をつけたまま寝ると睡眠の質は下がる

夜間に明るい照明をつけたまま眠ることは、私たちの体内時計に深刻な影響を及ぼすことが研究で明らかになっています。特に、100ルクスという明るい照明下での睡眠は、心拍数を増加させ、体が緊張状態となることで睡眠の質を低下させます。
さらに、照明による影響は睡眠中だけでなく、翌朝まで続き、血糖値を調整するインスリンの働きを妨げるインスリン抵抗性を引き起こすことも判明しています。また、長期的には肥満のリスクも高まることが調査でも確認されており、質の良い睡眠のためには、就寝時の適切な照明管理が重要です。
参考:Light during sleep in older adults linked to obesity, diabetes, high blood pressure (ノースウェスタン大学)
部屋の明るさと睡眠の質の関係

結論から言うと、部屋の明るさと睡眠の質には深い関係があります。部屋の明るさは、私たちの睡眠の質に直接的な影響を与えることが研究で明らかになっています。人間の体内時計は光によって調整されており、夜間の強い光はメラトニンの分泌を抑制し、眠りを妨げます。
特に就寝前の白色光やブルーライトは覚醒を促してしまうため、夜は暖色系の柔らかな光を選び、徐々に照度を下げることで、より質の高い睡眠を得ることができます。
(参考:J-STAGE|睡眠前の照度低下時間の長短が睡眠深浅に与える影響に関する研究)
具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。
寝つきが悪くなる
夜間に明るい照明の中で過ごすことは、私たちの寝つきを著しく妨げることが研究によって明らかになっています。これは、明るい光、特に白色光やブルーライトが睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制するためです。
本来、夕暮れとともに分泌が始まるメラトニンですが、強い光に晒されることで体内時計が乱れ、脳が覚醒状態を維持してしまい、なかなか眠りにつけない状態を引き起こしてしまいます。
睡眠が浅くなる
夜間に明るい照明を浴びることは、質の良い深い睡眠を妨げることが科学的に証明されています。研究によると、就寝時に100ルクスという明るい照明のもとで眠ると、心拍数が増加し体が緊張状態となるため睡眠が浅くなります。
また、メラトニンという睡眠を促すホルモンの分泌が抑制されるため、深い睡眠段階に移行しにくくなり、夜中に目が覚めやすくなるなど、睡眠の質が大きく低下することがわかっています。

レム睡眠が減る
夜間の明るい光は、深い睡眠への移行を妨げ、特にレム睡眠の質と量に悪影響を及ぼすことが研究でわかっています。就寝時に明るい照明を使用していると、脳が覚醒状態を維持しようとして心拍数が上昇し、体がリラックスしにくくなります。
その結果、夢を見て記憶を整理する大切な役割を持つレム睡眠が減少し、十分な休息が得られにくいのです。この状態が続くと、記憶力の低下やストレス耐性の減少にもつながる可能性があります。
体内時計が乱れる
人間の体内時計は約24時間周期で働いており、光はこのリズムを調整する重要な要素です。夜間に明るい照明で過ごすと、本来メラトニンが分泌されて眠りに向かうべき時間帯に体が覚醒状態を保とうとします。
この結果、体内時計が乱れ、自然な睡眠サイクルが崩れることで、寝つきが悪くなったり、睡眠中の中途覚醒が増えたりして、睡眠の質が著しく低下します。さらに、この影響は翌日の体調にも及ぶことがわかっています。
就寝時に最適な明るさは1~30ルクス

ある研究によると、人が快適に眠るためには1~30ルクスという比較的暗い明るさが最適とされています。0.3ルクス(ほぼ暗闇)に比べて室内が明るくなるほど睡眠は浅くなり、50ルクスを超えると睡眠の質が顕著に低下することがわかっています。
完全な暗闇は不安感を引き起こす可能性があるため避け、ホテルのフットライト程度の微かな明かりがある環境がおすすめです。これは、脳が光を感知して覚醒状態を保とうとするメカニズムと、人間の自然な睡眠リズムに基づいています。
睡眠の質を上げるための照明調整のポイント

睡眠の質を上げるためには、照明調整が重要なポイントとなります。以下に、照明調整のポイントをまとめました。
寝る前は部屋の照明を暗くする
質の良い睡眠を得るためには、就寝1~2時間前から照明を暖色系の柔らかな光に切り替え、徐々に明るさを落としていくことが効果的です。寝室だけでなく、リビングや浴室など就寝前に過ごす空間全体の照明も暗めに調整することで、体内時計に「もうすぐ眠る時間」という合図を送ることができます。
これにより自然な眠気を促し、深い睡眠へとスムーズに移行することができます。
寝る前に強い光を浴びないようにする
良質な睡眠を得るためには、煌々とした白色光の照明は避けるようにしましょう。これは光が体内時計に影響を与え、強い光が睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまうためです。照明を徐々に暗くしていくことで、自然な眠りへの準備が整えられます。
真っ暗じゃないと寝れないときはアイマスクを着用する
中には、完全な暗闇でないと眠れない人もいるでしょう。そういった場合は、アイマスクを着用するのがおすすめです。アイマスクは外部からの光を完全に遮断できるため、室内に多少の明かりがあっても良質な睡眠環境を作り出すことができます。
また、旅行先やホテルなど普段と異なる環境での就寝時にも活用でき、いつもと同じような暗い睡眠環境を確保できる利点があります。ただし、アイマスクの素材や締め付け具合には個人差があるため、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
明るくないと寝れないは間接照明を調整する
一方で暗闇が苦手などの理由で照明をつけていないと眠れない人は、間接照明をうまく活用することで質の良い睡眠を得られます。ただし、照明が強すぎると睡眠の質が低下するため、照明の色や明るさを調整して寝室内は1~30ルクス程度の明るさに抑えるよう心がけましょう。また、就寝時に照明をつけたまま眠る場合は、光を直接浴びない位置に設置することも重要です。
睡眠の質で悩んだら「ねむりの相談所」へ

良質な睡眠は私たちの健康に不可欠ですが、光環境はその質を大きく左右する重要な要素です。研究によると、就寝時の適切な明るさは1~30ルクスとされ、それ以上の明るさは睡眠の質を低下させることがわかっています。完全な暗闇が苦手な方は間接照明を活用し、逆に暗闇が必要な方はアイマスクを使用するなど、個人に合った環境づくりを心がけることで、より良い睡眠を得ることができます。快適な睡眠環境作りは、心身の健康への第一歩なのです。
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